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神​様​は​き​っ​と​人​間​を​滅​ぼ​す​た​め​に​愛​を​与​え​た​ん​だ​ろ​う​な

by ムクロジ

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1.
知らない宇宙のどこかで、 知らない誰かが「好き」って叫ぶ。 知らない誰かもきっと私と 同じ血と肉で、できている。 バカみたいだよ、「好き」って感情。 バカみたいだね、「好き」って感情。 好きとか愛とか、どうでもいいから 私と一緒にアイス食べよう。 アイスを食べよう。 神様はきっと人間を滅ぼすために 愛を与えたんだろうな。
2.
あたしの中の神様が言った、 「明日、世界が滅びるよ」。 そんなあまりに急に過ぎて あたしはムカつき、神様を ぶっとばした。 天国なんか信じない。 地獄だって信じない。 神様がいるのは、この世だけ。 天国なんか信じない。 地獄だって信じない。 あの世なんて信じない。 外に飛び出し、歯を食いしばる。 そんなあまりに急すぎて あたし、泣くことすらできないよ。 蹴り飛ばすように道走り、 最後の空を見に行こう。
3.
暗い暗いその中に、ひきこもりの魚がいた。 死なない魚がいた。 その魚はひとりぼっちで、 誰でも良いから一緒にいてほしかった。 けれども、生きるもの全ては死んでしまうので、 死なない魚と一緒には居れなかった。 ある時、かわいい石が、魚の傍らに落ちてきた。 石は、だまったままだったが、 魚は「石は死なない」と思いこみ、 この石を友達にした。 10年経ち、100年経ち、1000年が経った時、 石は削れていなくなった。 石が無くなった時、魚は、 「うそつき!」と叫び、 もうずっと一人でいることにした。 ずっとずっと一人で、 ずっとずっとひきこもる。 「時」は、魚を殺してはくれなかった。 魚の傍らに、いつもいたのは、 「時の流れ」だけだった。 魚は、そのことには気づかずに、 いつまでもいつまでも ひとりぼっちだと思い込んでいた。 時の流れは、それでも黙って いつまでもいつまでも 一緒にいた。 どんなにひとりぼっちでも、 「時」だけは、「時の流れ」だけは、 全ての存在と一緒に、流れてくれる。 そのことに気づく者は、 いったい、どれだけいるだろうか。 今日も、「時」は流れてく。 全ての存在と一緒に、 ただ、ただ、流れていく。

about

Supersonal,20
自失ナイフとしても活動中のムクロジ氏より、独自世界が炸裂するポエトリーリーディング作品が到着

“不可思議ワンダーボーイというアーティストを聴き「私もやりたい!!」と創作衝動に身を任せ、とにかく作ってみたポエトリーたち”という影響後即実行型スパソナである

クセになる氏の声、独特な演奏の揺らぎ、そして人生の慟哭が如く詩世界と“ここでしか聴けない感”にむせ返る三曲
詩も表示可能なので併せてご堪能頂きたい

・ムクロジ soundcloud
soundcloud.com/user-685503609

credits

released July 3, 2020

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Supersonal Records Tokyo, Japan

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